ご飯の目線

ご飯を食べるときに、箸でおかずをつまむ。例えばしょうが焼き。

しょうが焼きを食べようとする瞬間、しょうが焼きをみながら、箸でつまんでいる。そしてつまんだ箸を口に持っていって咀嚼する。

この一連の作業の中で、自分の目線に注意しながら食べるという行為を行うとなんだか不思議な瞬間がある。

つまむときはしょうが焼きをみてる、口のあたりに持っていくときもしょうが焼きをみてる。咀嚼してるときは次のおかずを見ているか、テレビを見ている。

『口の当たりに持っていく』から『咀嚼してる』の流れの間には、『口に放り込み咀嚼しはじめる』は存在し、その目線はどこか遠くを見ている。

自分は何を見ているのだろう。目を開けている限り何か情報を目に焼き付けているはずなのに、その瞬間だけは無意識な状態で情報がまったく入力されていない錯覚に陥る。